エアータイト『ATE-3011』フォノアンプを聴きました
2019年 11月 18日
エアータイトの新製品、真空管フォノイコライザーアンプ『ATE-3011』をお借りして聴いてみました。
開発者3年間を要したという、気合の入ったフォノイコです。

『ATE-3011』の最大の特徴はもちろん、数多くのイコライザーカーブに対応しているという点。
可変式のイコライザーカーブは、ターンオーバーとロールオフでそれぞれ5種類ずつを選択可能で、標準的なRIAAカーブのほか、NAB、AESやFFRR、そして78回転機械吹き込み式のフラットポジションが選択できます。

更にこれらを組み合わせることで数多くのイコライザーカーブに対応する事ができます。
今現在、イコライザーカーブの基準として採用されているRIAAカーブが統一の規格となるより以前、各レコード会社はそれぞれ独自のカーブを用いていました。
一般的には1954年以降はRIAAカーブで統一されているはずですので、現在のフォノイコライザーは、当然ながらほとんどがRIAAカーブを基準として開発されています。

とはいえ1954年以前のレコードって探してみるとけっこうありますし、実は1954年以降も勝手にRIAAカーブ以外のカーブを使って作られているレコードも見られます。
実際にお店の試聴盤を探してみると、何枚もRIAAカーブ以外のカーブを用いているレコードがありました。

という訳で早速その中の一枚、”カラヤン指揮 The Vienna Of Johann Strauss "を、『ATE-3011』を使い、適切なカーブで聴いてみました。
『ATE-3011』はMM入力のみですので、MCトランスが必要です。
今回はオーディオノート『SFz』を使用します。

プレイヤーはトランスローター「ZET-3」で、カートリッジはプラタナス「2.0」です。
再生しながらレコード盤の静電気を除去するDSオーディオ「ION-001」ももちろんセット。
当店ではレコード再生のマストアイテムです。

RIAAでも不満はないのですが、FFRRに変えてみると高域の広がりが明らかによくなり、より明瞭なサウンドになりました。
確かにこれはFFRRの方が聴いていて楽しくなる音です。

付属の資料に掲載されているカーブを見比べてみると、RIAAとFFRRでは20Hzと20KHzのポイントで、それぞれ約4dBほどの違いがあります。

これだけ違うとやはり聴感上は大きく印象が異なります。
ゲインが上がっているというのもあると思いますが、結果的にはやはりカーブを適切なものに合わせたほうが、そのレコード本来の魅力が感じられるような気がします。
古く、そして貴重なレコードをお持ちの方にとってはとても魅力的なイコライザーアンプなのではないでしょうか。
どうしても可変式のイコライザーに目が行きがちですが、フォノアンプとしての能力も高いです。
基本的なサウンドはエアータイトらしいすっきりとした、綺麗な音。
がつんとくる重厚なサウンドというより、まとまりの良いバランス重視型という感じです。

入力はMMが3系統ありますので、複数のプレイヤーを使っている場合や、2本アーム、3本アームにも対応できます。
これからはステレオ、モノラルの切り替えだけでなく、イコライザーカーブも切り替えて、最も適した状態で大切なレコードの魅力を最大限引き出してあげましょう。

エアータイト『ATE-3011』に関しては、ぜひサウンドピットにお問い合わせください。
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by soundpit-new
| 2019-11-18 15:43
| 試聴レポート