「クリムゾンキングの宮殿」50周年記念盤 の話



サウンドピットです。

今年で発売から50年目を迎えたキング・クリムゾンの伝説的アルバム、「クリムゾンキングの宮殿 50周年2019REMIX盤」を買いました。

200g超重量盤2枚組です。


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(画像は50周年記念BOXのもの。日本未発売)


今回のミックスを手掛けたのはポーキュパイン・ツリーのメンバーであるスティーヴン・ウィルソン。

実はエンジニアとしても有名なんですね、恥ずかしながら知らなかったです。
でもクリムゾンを愛するゴリゴリのプログレ野郎がミックスしてくれているなら安心です。

ちゃんとロバート・フリップが監修しているようだし。


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ちなみに2004年と2010年にも、このアルバムのリミックス盤が発売されています。
でも懲りずに買う。
しかもレコードなら尚更買ってしまう。

ファンゆえの悲しい性です。





ただ2019年盤を聴くだけじゃつまらないので、当店のお客様に(半ば無理やり)貴重な英国オリジナル盤を持ってきていただきました。
実はオリジナルは初めて聴きます!
I様、本当にありがとうございました。


ほとんどの興味はすでにオリジナル盤に向かっているのですが、折角なので色々と見比べてみました。


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左が2019年盤、右がオリジナル盤です。
けっこう色味が違いますね、オリジナル盤の方が濃いです。


次にレーベル面。
オリジナルはいわゆるピンクレーベル。
盤自体もレーベルもとても状態がいいです。


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2019年盤はジャケットと同じ顔が印刷されています。
これはどうなんだ、あんまりカッコ良くないぞ。
そしてDisc2はというと、内側のこいつが・・・。


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そしてここで気が付いたことがひとつ。

2019年盤のレーベルに驚くべき表記がありました、なんとイギリス製です。
てっきり最近のヨーロッパ盤よろしく、「Made In E.U.」だとばかり思っていました。


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これは期待できるかも。





さっそく2019年リミックス盤を聴いてみます。
新しく買ったレコードに針を落とす瞬間はいつもワクワクします。

とりあえずA面を聴き終わり、たしかに音は綺麗になっている・・・が、これはリミックスというほど変わったのだろうか、という印象。


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アビイ・ロードの50周年リミックス盤を聴いた時のような新鮮さはないです。
B面を聴いても同じ印象でしたが、ムーン・チャイルドの背景がやけに静かになっていました。
なんとなくリバーブの効き方も変わっているようで、無から音がポッと浮かんでくる感覚がより鮮明になっています。

とはいえ、ムーン・チャイルドはこっちの方がいいね!と言われても褒められているのか苦し紛れのフォローなのかわかりません。


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間髪入れずにオリジナル盤も聴いてみました。

すごくエネルギッシュな音です。
ゲインもオリジナル盤の方が高いようで、当然ヒスノイズなども一緒に大きくなるのですが、それゆえに勢いがある。

音質については、正直いうとそこまで大きな違いは無いかもしれません。
でもこの音の方がずっと「ロックだ」と感じます。

ほんと、微妙な差なんですけど・・・この微妙な差異が大切なんですよね、だからつい色々買ってしまう訳で。


しかしこうやって聴き比べてみると、リミックスとはいえ、このアルバムはもう大きく変えようがないのかもしれません。
新しい、挑戦的なリミックスも聴いてみたいのですが、いざあんまり変えられると違和感を感じてしまいそうだし。
ワガママばかりで申し訳ないのですが。

そしてここまで伝説的なアルバムになると、リミックスする方も相当な勇気が必要なのでしょう。
むしろよく出してくれたと歓迎すべきだと思います。

事実、オリジナル盤との比較ではやっぱりオリジナルの方がいいかなという評価ですが、例えば当時の国内盤や時々中古で見かける半端な年代の復刻盤と比べると、間違いなく今回の2019年版の方がいいです。

定価でも5000円ほど、私は予約をして4000円以下で手に入れていますので、この価格で音が良くてノイズも無いクリムゾンを聴けると考えると、間違いなくお買い得でしょう。





それにしても、いつ聴いても凄まじいアルバムです。
思わず拳をぎゅっと握ってしまうような緊張感と、身動きが取れなくなるほどの熱量を感じます。

こんなアルバムをリアルタイムで、しかも思春期に聴いてしまったら、間違いなく人生が狂ってしまうことでしょう。

私はリアルタイムではありませんでしたが、思春期に聴きすぎたせいでわずかに狂いが生じているような気がします。


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職業柄と少し年をとったせいで音質だのなんだの、細かいことを気にしてしまいますが、中学生の頃に安物のラジカセで聴いていたクリムゾンが最も衝撃的で最も印象的です。

その記憶と感覚があるので、いまだにずっと聴いているし、何かしら関連商品が出ると買ってしまうのでしょう。

その当時のような衝撃や刺激を無意識のうちに求めてしまっているのかもしれません。

やっぱり大事なのは中身。
できれば音もいい方がなお良い。

いわゆる名盤とよばれているレコードにはちゃんと理由があるのだ、そんなことを改めて意識するきっかけになりました。




by soundpit-new | 2019-11-25 19:52 | コラム | Comments(0)

名古屋のオーディオショップ「サウンドピット」若手スタッフのブログです。


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