「ヘッドシェル」と音色の関係

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サウンドピットです。


昨今のレコードブームに乗じて、というわけではないですが、お店でも色々なアナログ関係の製品が充実しています。

お気に入りのプレイヤー、カートリッジが見つかったならば次のステップとして、ヘッドシェルを考えてみるのはどうでしょうか。


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いまとなっては貴重なSMEのユニバーサルアームを搭載しているトランスローター「Zet3」に、アコースティカル・システムズのヘッドシェル「arche(アーチ)」を使用してみることにしました。


アコースティカル・システムズは、ドイツのアナログ大好きな変態の集まりであり、論理的かつ合理的な製品開発を得意としています。


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トーンアーム「AXIOM」が有名ですね。

同社のトーンアームはシンプルな設計ながら独自の調整機構をもっており、別売りのセッティングツールを用いることで、徹底的な追い込みが可能です。

カートリッジにとって最適なセッティングを行うことがいかに重要かを再認識させてくれたアームです。





アコースティカル・システムズのもう一つの看板商品が、ヘッドシェル「arche」。

「AXIOM」のDNAを受け継いだヘッドシェルです。


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「arche」はヘッドシェル単体でSRA(針先すくい角)とVTA(垂直トラッキング角)、さらにオーバーハングまでも調整することが可能です。

つまり、ある程度アームをセッティングしておけば、シェル側で微調整ができてしまうのです。


独自の構造で高い制振性と剛性を実現しており、繊細なカートリッジの仕事を強力にサポートします。

無骨な見た目は、まるで軍用の特殊な機械のようです。


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用意したのはゴールドモデル。目立ちます。

このゴールドカラーには、本当に24金が吹き付けられています。


(※ ゴールドは売約済になってしまったため、現在はロジウムメッキのモデルを展示しています)





この「arche」に、永遠のスタンダードであるDENON「DL-103」を取り付けてみました。


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さらにもう一つ。

このシェルの比較対象として、もう一つのシェルを用意しました。


DS Audio「HS-001 Solid Head Shell」です。


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その名の通り、完全一体の超々ジュラルミン削り出しボディを持つ堅牢なヘッドシェルです。

接点の圧力を均一化するための上下ピン構造、球面ワッシャーなど、多くのアイデアとコストが投入されたハイエンドモデル。


こちらにも同じく、「DL-103」を取り付けます。





早速レコードを聴いてみます。


ニールヤング・アーカイヴから出ている名盤「Live In Massey Hall 1971」から、”Helpless”。

古いライブ音源ですが驚くほど録音がよく音もフレッシュで、内容も最高です。


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この曲と”Ohio”の曲が始まる前にニールヤングがギターのチューニングを行うのですが、その音の出方が私にとってひとつの基準となっています。

システムは以下の通り。
ヘッドシェル以外はすべて共通で試聴します。


プレイヤー:トランスローター「ZET3」
トーンアーム:SME「M2-9R」
イコライザー:オーロラサウンド「VIDA」
プリアンプ:マッキントッシュ「C70」
パワーアンプ:マッキントッシュ「MC2152」






DS Audio「HS-001」から聴いてみました。

立ち上がりが鋭く、かっちりしたサウンドです。
味付けはややスッキリめですが、精密な音の出方を楽しめます。


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音が前に出てくる感じは控えめで、その代わり定位がとてもいいです。
ステージは少々奥になりますが、それが気になるほどではありません。

まさに削り出しボディの剛性の高さを感じる音、といえるでしょう。

かなりいい音だと思います。



次に、Acoustical systems「arche」を聴きました。

第一印象は、濃厚。

前にせり出してくるような、迫力のある音です。
本当に同じカートリッジなのか、と疑いたくなるほどの違い。


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広がりや繊細な表現は、DS Audioの方が優れています。
しかしヴォーカルの密な感じ、生々しいギターの音はこちらのシェルに軍配があがります。

いわゆるレコードらしい音、というものを意識させる、タフな鳴り方です。







どちらが優れている、というのをはっきりさせるのは難しいです。

両方にいい部分と、もっと求めてしまう部分があります。


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今の気分で判断すると、私の好みは「arche」かもしれません。

もちろん好みや音源でも変わってきます。

ただ、「arche」はかなり重量があるので、確実にサブウェイトが必要になると思います。
SPU-Gが取り付けられるアームであれば問題なく使うことができます。



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いずれにしても改めて感じたのは「ヘッドシェルでこれほど音が変わる」という事実。

それから、私の知っている「DL-103」の音をはるかに超えたレベルでレコードを楽しませてくれた2つのシェルの実力です。


これだからアナログというのは、悩ましくもやめられません。

今回のように、聴き慣れたレコードのはずなのに、シェルを変えただけでこれほどの新しい発見があるのです。

素晴らしい趣味ですね、ほんとに。



しばらく両方のシェルに「DL-103」をつけたまま、聴き比べていただけるようにしておきます。

この聴き比べ、非常に面白いです。

ぜひ聴いてみてください。


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by soundpit-new | 2020-02-11 19:05 | コラム | Comments(0)

名古屋のオーディオショップ「サウンドピット」若手スタッフのブログです。


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