「Amazon Music HD」と「mora qualitas」を使ってみました



サウンドピットです。

昨年、本格的にサービスを開始した「Amazon Music HD」と「mora qualitas」。


すでに「tidal」「quobaz」など様々なサービスが世界中で展開されていますが、これらはまだ国内で正式にサービスを開始していません。

それゆえ、日本国内で正式なサービスとして始まった「Amazon Music HD」と「mora qualitas」の存在はとても大きいと思います。


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サービスの開始はそれぞれ2019年9月(Amazon)と2019年10月(mora)で、それほど差はありません。

開始になったらすぐ使ってみようと思っていたのですが、なかなかじっくり使ってみる時間が無くて、こんな時期になってしまいました。



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昨今は、ほとんどのCDプレイヤーがUSB-DAC機能を搭載しています。
オーディオ好きとしては「今更PCとUSB接続なんか・・・」という意見もあるようですが、手軽に数百万~数千万曲の音楽を自由に聴けるストリーミングサービスは無視できませんね。

サンプラー代わりだとしても、お得だと思います。

今回は、「Amazon Music HD」と「mora qualitas」の両方を、とりあえずどちらも使って音質や使い勝手を比べてみたいと思います。




・Amazon Music HD と mora qualitas


基本的な知識としてと2つのサービスの差は以下の通り。


・料金 Amazon:1980円(税込/月) mora:2178円(税込/月)

・楽曲数 Amazon:6500万曲以上 mora:非公開(数百万曲?)

・サンプリング周波数 Amazon:最大192kHz/24bit mora:最大96kHz/24bit



数字で比べてみると、まず楽曲数に圧倒的な差があります。

それからサンプリング周波数。
両サービスとも「ハイレゾでストリーミング」が大きなセールスポイントとなっています。


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数字だけで判断すれば、Amazonの方が優れていることになります。

しかし「数字が高ければ音もいい」とは限らないので、サンプリング周波数の差がダイレクトに音質の差になるわけではありません。



今回はメインのソースとして「Amazon Music HD」と「Mora qualitas」を使ってみたいので、当店のメインシステムで鳴らしてみます。

システムは以下の通りです。


・D/Aコンバーター エソテリック「D1X」
・プリアンプ    ナグラ「HD-PRE」
・パワーアンプ   ナグラ「HD-AMP」
・スピーカー    YGアコースティック「Sonja 2.2」

・USBケーブル   Viard Audio「Silver HD20 USB」
・LANケーブル   DELA 「C1 イーサネットケーブル」

・LANハブ     DELA「S-100」


ちなみにPCは現在オーディオ用というものが用意しておらず、なんてことない普通のラップトップです。




・Amazon Music HD を使ってみる


「Amazon Music HD」のメイン画面です。
新曲や話題のアーティスト、Amazonがまとめたおすすめのプレイリストなどが表示されています。

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ジャンルごとの「Uitra HD」プレイリストや、アーティストごとに「Uitra HD」で配信されている楽曲をまとめた項目など、これでもかというぐらい「Uitra HD」を推してきます。

ストリーミングサービスらしく、大量の情報に溢れています。


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エソテリック「D1X」と繋ぎました。
USBケーブルはヴィヤードの「Silver HD20 USB」を使います。

ヴィヤードのUSBケーブルは音質はもちろんのこと、非常に柔らかくて取り回しが抜群にいいです。
ケーブルが素直に曲がるので、PCのUSB端子に変に負荷がかかることも少なくなります。

さらに細く取り回しのよい「Silver HD12 USB」も発売されています。



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Amazonアプリの出力先で「ESOTERIC USB DEVICE」を選び、下の「排他モード」にチェックを入れます。

この排他モードにチェックを入れるとPCのヴォリュームなどをパスして、データをより高品質で送り出すことができます。



ベン・ハーパーのアルバム「The will to live」より”アッシュ”を聴いてみました。

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定位もよく、聴いた瞬間に「あれ?」と思うような気になる点はありません。
もともと少しブーミーな録音なのですが、不自然に低域が膨らむこともなく、いい音で鳴っています。


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ここで画面左下、再生中の曲名の右に「ULTRA HD」とイエローのボックスが表示されています。
ここをクリックすると、以下のようなポップアップが表示されます。

ここでは再生している曲のもともと(Amazonから配信されている)サンプリング周波数、再生端末(今回の場合はPC)、そして実際に処理されているデータの数値を確認することができます。

ベン・ハーパーの「The will to live」はULTRA HD、192kHz/24bitで配信されていますが、最終的には48kHz/24bitで再生されてます。

つまり現状では配信されている周波数と、実際に再生している周波数が合致していません。

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その場合はPC側の設定を変更して、サンプリング周波数を192kHz/24bitに設定します。

すると最初から最後まで192kHz/24bitで統一することが出来ました。
これがいわゆるビットパーフェクトという状態です。


この状態でもう一度同じ曲を聴いてみました。

少しすっきりとして、奥行きを感じられるようになったような気がします。
確かにハイサンプリングらしい滑らかさも出ているように思うのですが、むしろ大人しくなったという印象です。



せっかくなので、もう一曲。

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アシュケナージ、ショルティ指揮&シカゴ交響楽団の、ベートーヴェン ”ピアノ協奏曲1番” を聴いてみます。

まずビットパーフェクト(96kHz/24bit)の状態で聴いてみて、それからPCを44.1kHz/16bitの設定に戻して再度聴きました。
こちらの方が違いが分かりやすかったです。

特に弦は違いが出やすいように思いました。
しなやかな印象は96kHzの方がありましたが、メリハリの良さは44.1KHzの方が感じました。

はっきり言って、「どちらのほうが良い」とは言い切れないです。
楽曲の年代やジャンルで使い分けてもいいかもしれません。




・次に Mora qualitas を使ってみる


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こちらが「Mora qualitas」のメイン画面です。

様々なアーティストや楽曲、プレイリストなどが表示されています。
おそらくもっと色々使いこむことで、私のお気に入りを学習してピンポイントなおすすめをしてくれるようになると思います。

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設定ページから、エソテリック「D1X」を選択します。
Mora では Amazon のような排他モードが無い代わりに、ASIO接続に対応しています。

ASIOとは「Audio Stream Input/Output」の略で、Steinberg社が開発したデジタルオーディオデバイス用のプロトコルです。
要はAmazonでいう排他モードと同じく、より高品質な音声通信を可能にするものです。

ASIO接続を選ぶことでPCのヴォリュームをパスすることが出来ます。
また、PC側の設定に関係なく、サンプリングレートは楽曲に応じて自動で変更されます。

これが厳密にビットパーフェクトといえるのかはよく分からないのですが、要するにレートについてあれこれ考える必要は無いということです。


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同じシステムで、まずはベン・ハーパー ”アッシュ” を聴いてみます。
ちなみにMoraではこのアルバムハイレゾで配信しておらず、44.1kHz/16bitのCDクオリティです。

Amazonとの大きな差としては、まず奥行きが違います。
Mora の方がずいんぶんサウンドステージが立体的に出てきます。

それから音色も少しすっきりして、分解能が高いようです。
でも勢いが無くなっているという感じではなく、純粋にS/Nが上昇している印象です。

ぱっと聴いた印象はMoraの方が印象が良い感じです。


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せっかくなので、もう一曲も。

アシュケナージ、ショルティ指揮&シカゴ交響楽団の、ベートーヴェン ”ピアノ協奏曲1番” です。
Amazonと同じ、96kHz/24bitのハイレゾで配信されています。

先ほどのベン・ハーパーと同じく、全体的なS/Nの良さを感じます。
また、クラシックに関しては、より広がりやステージ感が得られたように思います。

やはり音質に関してはMoraの方がいいように感じました。


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それにしても、やはりグランディオーソ「D1X」はすごいです。
ソフトを変えたことによる細かな違いが、きちんと表現できています。

やはり最後はD/Aコンバーターの品質がとても大切になってきます。
「D1X」のUSB入力はアシンクロナス伝送に対応していますので、より品質の高い通信が可能です。

どうしてもCDトランスポート「P1X」とセットで捉えられがちですが、D/Aコンバーター単体としてもとても優秀です。


エソテリック「グランディオーソD1X」の詳細はこちらから → 「P1X & D1X 紹介ページ(サウンドピットHP)」へ




・まとめ

比べてみた結果は以下の通り。

音質:mora
曲数:Amazon
操作性:どっちもどっち

まず音質ですが、これはmoraの方が品質が高く感じました。

今回試聴した曲はAmazonの方がサンプリングレートが高い、あるいは同一でしたが、データの送り出しがmoraの方が巧いという印象です。
操作性の評価にもつながる話ですが、やはりASIO接続は音質に優れていると思います。
数年前のPCオーディオ全盛期も、「できるだけPCのコマンドを通さない」というのは大切な要因のひとつでした。


次に楽曲数ですが、これは圧倒的にAmazonです。
Amazonでは大抵のアーティストや曲が出てきますが、moraでは「これも無いの?」というのがよくありました。
ただ曲数はレーベルとの契約で増えてゆきます、そしてそれにはかなりの予算が必要なはずです。
みんながもっとmoraを使ってあげることで、楽曲数は増えてゆくはずです。


操作性は、はっきりいってどっちもどっち。
アプリ自体で評価するなら、Amazonのほうがストレスなく使えるような気がします。
しかし例のサンプリングレートの切り替えがいちいち面倒です。
気にしなければいい話なのですが、できるだけこだわりたいマニアとしてはレートがずれていると我慢ならないので、これは悩みどころ。

その点、先述の通りASIO接続ができるmoraは悩みが一つ減ります。
ただ、アプリは動作がやや重めです。
それから視認性というか、画面全体の見やすさはAmazonの方が優れていると感じました。



ハイレゾという単語が一般的に広まって早数年。


果たしてどれぐらいの人が、実際にレート管理までを行って聴いているのかは分かりません。


しかし、オーディオ好きとしては、大きな企業がこういうマニアックな部分まで力を入れてくれるのは、楽しみが増えていいと思っています。

PCオーディオから始まり、PCを起動させずに済むネットワークオーディオプレイヤーに移り変わったとおもったら、またPCであれこれ。


なんとも不思議な感じですが、利便性などを考えると、今となってはあまり変わらないのかもしれません。

今回は「使ってみよう」で内容がパンパンになってしまったので一度切り上げますが、ソフトだけでなくハードの面でも色々気になるところ。
USBケーブル、LANケーブル、PCの電源など色々・・・。

今度はそのあたりを一通り試してみて、簡単にまとめてみようかと思います。

いずれにしても、手軽に始められるという意味では、「Amazon Music HD」も「mora」も一度試してみる価値はあると思います。
冒頭でも書いた通り、サンプラーとして使うのもアリですね、

実際の使い方や周辺機器に関するご相談は、ぜひサウンドピットへお問い合わせください。

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by soundpit-new | 2020-05-31 17:01 | コラム

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