JBL「4312B」ウーファーの張替修理
2021年 09月 11日
サウンドピットです。
今日は珍しく修理のお話です。

お客様からお預かりしたJBL「4312B」のウーファーをリコーン(コーン紙張替)しました。
お預かりした時点では下の写真のようにコーン紙が激しく損傷してしまっている状態でした。

「4312B」の特徴であるウーファーのホワイトカラーは、コーン紙に塗られたダンピング塗料の色です。
かなり分厚く塗られており、今回のようにコーン紙が破れるほどの衝撃が加わると、割れたようになってしまうんですね。
けっこうなダメージでしたので、マグネットやダンパーもチェックしました。
幸いコーン紙とセンターキャップを交換すればそのまま使える状態でしたので、リコーンのみで作業をすすめました。

写真上が交換済、下が取り外したコーンです。
色味がずいぶん違いますが、これは日焼けや経年による変色です。
今回取り付けたものも、いずれクリーム色に変化していきます。



コーン紙、ダンピング材、エッジ、そして接着剤に至るまでオリジナルに忠実に修理します。
コーン紙側にはみ出すコーティング剤の幅も再現しています。
細かな点ですが、こういった細部が最終的な仕上がりに大きく関係します。

あとは動作チェックを行い、左右のインピーダンスl特性を計測して完了です。
ついでにキャビネットを磨き直し、サランネットの剥がれも直しました。

全体的にリフレッシュすることが出来ました。
またこれで長らくご愛用いただけると思います。
今回の修理は、正直なところかなり高額になってしまいました。
場合によっては修理代で同一モデルの中古品が探せるんじゃないか、というぐらいの価格。
しかしながら、どうしても直したいとのことでご決断されました。
「思い入れがあってどうしても直したい」「この個体じゃなきゃ意味が無い」、そういう想いはとても大切です。
ただの「モノ」として割り切れない何かがある。
趣味ってそういうものだと思います。
もし「お金と時間をかけてでも、どうしても直したいもの」があれば、ぜひ一度ご相談ください。
お力になれるかもしれません。
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by soundpit-new
| 2021-09-11 17:04
| コラム