LINN KLIMAX Organik DACを聞き比べて
2022年 09月 05日
サウンドピットです。

( KLIMAX DSM/3 )


"Organik DAC"はディスクリートDACと言って、既製品であるDAC ICチップを使わず抵抗やトランジスタなどのパーツを個別に選択して構成したDACです。ICチップを使う場合と比べてパーツ点数が多くなり基盤も大きくなるのでそれなりのスペースが必要になります。


( KLIMAX DSM/3 削り出しシャーシ )

先月開催したLINN試聴会で我々は新型のKLIMAX DSM/3とOrganik DACにヴァージョンアップした旧型のKLIMAX DSの比較試聴を体験しました。
お客様のご好意でKatalyst DACを搭載したKLIMAX DSを持参していただき、3機種の聞き比べを行うこともできました。
当然ですがやはり新型のKLIMAX DSM/3がもっとも好印象でしたが、Organik DACへアッグレードしたKLIMAX/DSからも大きな進化を感じる結果となりました。

( KLIMAX DS/2 )
新型もアップグレード機も同じ"Organik DAC"ですが、やはり同じ音が出るわけではありませんでした。
楽器や声の音色、温度感などは同じ雰囲気なのですが、音の広がりやきめ細かさが新型の方がかなり上手です。
音の出だしですぐにわかるほどの違いで、それは微妙な差異ではありませんでした。
新型KLIMAX DSM/3へ買い替えた方は一切の後悔なく大いに満足できる性能差があると思います。

"Organik DAC"はディスクリートDACと言って、既製品であるDAC ICチップを使わず抵抗やトランジスタなどのパーツを個別に選択して構成したDACです。ICチップを使う場合と比べてパーツ点数が多くなり基盤も大きくなるのでそれなりのスペースが必要になります。
そういった理由もあってか新型のKLIMAX DSM/3は筐体の厚みが旧型に比べて倍以上になっています。旧型には新型と同じサイズの"Organik DAC"は収まりきらないのでコンパクトに再構成したものを搭載しているようです。
これがどうしても音の違い、性能差を生んでしまうのだと思います。

だからと言ってKatalyst DACからOrganik DACへのアップグレードが必要ないかというと、それは違います。
Organik DACにヴァージョンアップしたKLIMAX DSは従来のKatalyst DACと比較するとその差は大きく、一音一音の厚みが増してより生命力のある音に感じられます。
奥ゆかしさを感じるLINNならではの表現力はさらに磨きがかかり、ハイエンド機ならではの深みや上品さがより一層感じられるようになりました。
ディスクリートのOrganik DACでLINNが到達した理想のサウンドはとても好印象です。
そしてこれを旧筐体のKLIMAXにも搭載できるようにしたLINNという会社の姿勢は素晴らしいと思います。
今までのKLIMAXは時代遅れになることはなく、これからも安心して使い続けることができます。
新型KLIMAX DSM/3が¥5,280,000-(税込)ということを考えるとOrganik DACアップグレードが¥990,000-(税込)で実現できるのはある意味コストパフォーマンスが高いのかもしれません。

LINNは常に進化を止めないブランドです。
これから先にどのような未来が待っているのかは想像もできませんが、現時点ではOrganik DACを搭載したKLIMAX DSM/3は間違いなくLINN史上最高のネットワークプレイヤーだと思います。
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by soundpit-new
| 2022-09-05 09:53