エソテリック S-05 試聴しました
2022年 11月 29日
サウンドピットです。
「シンプルな回路と強力な電源部」というM1Xの回路設計思想を引き継いでいるのが特徴で、ステレオパワーアンプならではの表現力にこだわって音作りをしたそうです。
重厚感はありますが、エソテリックの現ラインナップのパワーアンプの中では一番すっきりしたデザインだと思います。内部回路も音質を優先した「引き算の美学」で作られており、信号経路は最短で接続されたシンプルな回路になっています。
回路はシンプルでもしっかり物量投入はしています。入力段から最終段まで、デュアルモノーラル構成を徹底、105μmの銅箔厚を採用した基板パターン、コネクター接続を極力排除した極太ゲージのケーブル類、ドライブステージにある8本のバスバーは1.0mmの肉厚な高純度OFC素材を使用しています。電源トランスは搭載できる最大容量(940VAのEIコアトランス)を採用。
ぱっと聞いた印象はエソテリックらしい精緻な音です。どちらかといえば色つけが少ない音だと感じました。低域の瞬発力はさすがで開放感もありダイナミックです。S/Nがよく音楽の背景が静かなのでサウンドステージも見通しがいいです。
フラグシップモデルのGrandioso C1X/M1Xに採用したエソテリック独自の電流伝送「ES-LINK Analog」はS-05にも採用されました。電流伝送は一般的な電圧伝送と比べて約100倍の電流を伝送するためノイズの影響を受けにくく、音楽のエネルギーを余すところなくプリからパワーへ送り込むことができます。
S-05は同社のネットワークDAC/プリアンプ「N-05XD」とのES-LINK Analogが接続が可能です。接続に使用するケーブルは通常のXLRケーブルで、通常のライン接続と間違えないように端子のオスメスが逆になっています。
ES-LINK Analogに切り替えて再度試聴すると、明らかに先ほどと音色が違います。色濃く柔らかな音になりました。音の押し出しの強さも少し増したように感じます。この変化には好き嫌いが分かれそうですが、個人的には好みの音です。聴く音楽によっても得意不得意があるのかなと思います。
by soundpit-new
| 2022-11-29 13:03
| 試聴レポート