サウンドピットです。
アメリカのスピーカーメーカー、YGアコースティックの新たなラインナップである「Peaksシリーズ」が遂にサウンドピットに登場です。従来のリファレンスシリーズよりも求め易い価格を目指して作られたシリーズです。
Peaksシリーズでは最小の「Cairn」(ケルン)を展示機として導入しました。密閉型2Wayのブックシェルフスピーカーです。
ケルンのために設計された専用のスピーカースタンドは航空宇宙用の分厚いアルミニウム板を加工して作られています。スピーカー本体にスパイク脚が付いていて、スピーカースタンドの天板にスパイク受けが掘られている構造です。
小さいからと言って、妥協はありません。フロントバッフルは精密に機械加工された分厚いアルミニウム。アルミ塊から削り出した振動板を使用する150mmのBilletCoreウーファーとマグネットとフレームを最適化して低歪を実現したシルクドームのForgeCoreトゥイーターを採用。YGアコースティックの伝統的な主要技術が採用されています。
Peaksシリーズの特徴はエンクロージャーの素材にレジンファイバーを採用している点です。高密度のレジンファイバーを誤差なく正確に成型するため、わざわざヨーロッパにある技術力の高い工房に製作を依頼しているそうです。
従来のアルミ素材ではコストがかかり過ぎて価格が抑えられないため、レジンファイバーが新たに採用されたのだと思います。ただ、品質がカットされたような印象は全くありません。レジンの上に張られた天然木の突板は質が良く、ミニマルなデザインも好印象です。
従来のYGアコースティックと比較すると、「ケルン」の音は少し暖かみが感じられます。これは音に膨らみがあるとも表現できますが、決して悪い印象ではありません。いい塩梅という言葉がピッタリですが、弦やピアノ、女性の声が神経質にならず心地よく響きます。音像のシャープさを求める場合はそのようにセッティングを詰めていく必要がありますが、音楽を楽しむにはいまの出音でも十分だと感じます。
YGアコースティックならではの音の広がりのよさは相変わらずで、この小さいスピーカーから出ている音とは思えません。解像度の高さや歪みの少なさも健在で、実にクリーンな出音です。低音に関してはもう少しエージングが必要ですが、すでに密閉型ならではのタイトでレスポンスのよい鳴り方をしています。
YGアコースティックの創業者であり設計者だったヨアブ氏は会社を去りました。現在は新たに雇用されたマシュー・ウェブスター博士がスピーカーの設計を行っています。ケルンを含むPeaksシリーズ、そしてリファレンスの「3」シリーズは同氏によって進められたプロジェクトです。
この事実を悲観的に捉える方もいらっしゃっいますが、ケルンをご試聴いただければその憂いは期待に変わるはずです。マシュー・ウェブスター博士のデビュー作であるPeaksシリーズ「ケルン」、ぜひサウンドピットでご体験ください。
・YGアコースティック「Cairn」(ケルン)¥1,848,000-(税込)/ペア
・Cairn専用スタンド
¥324,500-(税込)/ペア
スピーカータイプ:2ウェイ密閉型ドライバー:ForgeCoreツイーター、150mmBilletCoreドライバー
周波数特性:40Hz–40kHzインピーダンス:8 Ohms (最小 3.9 Ohms)能率:86dB
サイズ:H370xH192xD262mm重量:12.5kg
----------------------------------------------------
ハイエンド&ヴィンテージオーディオ専門店サウンドピット
〒465-0025愛知県名古屋市上社2-13TEL:052-775-7901E-mail: stereo@sound-pit.jpHP: http://www.sound-pit.jp
営業時間: 10:00~18:00定休日: 水曜日、木曜日