サウンドピットです。
DELAが究極のスイッチングハブとして開発したハイエンドモデル「S1」を試聴しました。販売価格はシルバーが¥1,430,000-(税込)、ブラックが¥1,540,000-(税込)と今の日本の市場ではもっとも高価なオーディオ用スイッチングハブです。
S1の主な特徴は以下の通りです。
・SFP+対応ポートを4ポート
・ノイトリック社製RJ45LANポートを7ポート
・前面ボタンで簡単に通信速度を変更できる
・使用しないポートの無効化も可能
・10Mhzの外部クロック入力可能
・NDK社製低位相ノイズクロック搭載
・大容量トランス電源と大容量コンデンサを組み合わせた電源ユニット
前面ボタンで簡単に通信速度を変更できるという機能は実にユニークです。RJ45 LANポートでは通信速度を1Gbpsから100Mbpsや10Mbpsに設定変更でき、SFP+ポートでは1Gbpsから10Gbpsに切り替えられます。使用しないポートはオフにもできます。
なぜこのような機能が搭載されたかというと、通信速度によって音が変わるからです。早ければ早いほど良いというわけではないようです。S1は10Gbpsの通信を処理できる高性能なチップを搭載しており、100Mbps、10Mbpsと通信速度を落としてやることで処理する仕事量が減って動作に余裕が生まれ、消費電力の減少にもつながり、結果として音が変化するそうです。
10Mhzの外部クロックも入力可能です。S1は元より高性能なクロックを内蔵しておりますが、電源部がしっかりと作り込まれている外部クロックを繋いであげれば、音の広がりや佇まいに大きな向上を感じられるはずです。
ESOTERICのマスタークロック「G-05」を繋いで有無を比較してみましたが、当然有りの方が再生音のクオリティが高いです。クロックを繋ぐBNCケーブルによっても音のニュアンスが随分と変わるので、好みの音が出るケーブルを探す楽しみもあります。
dCS Bartók APEX DACをプレイヤー、Grimm audio MU1をRoonのコアとして使って試聴しました。
S1で聴くTIDALのストリーミング再生は従来にはない静けと深みを感じる音でした。一つ一つが丁寧で、滑らかさと厚みが感じられます。同社のS100とは比べ物にならないほど音が整っていて、揺るぎのない印象です。神経質な感じは全くなく、音数の少ない音楽では静けさに惹き込まれます。
今回はSFPポートを使っていませんが、光アイソレーションを行えばさらに滑らかでクリアな音が期待できることでしょう。そしてまだ10Mhzマスタークロックの追加も可能ですし、まだまだ伸びしろがあります。
前述の通信速度を変えて聴き比べてみると、1Gbps→100Mbps→10Mbpsと通信速度を落としていった方が相対的に音が良く感じられます。特に静けさや細やかさ、重心の低さに変化が感じられました。(※10Mbpsの通信速度では24/96khzまでの再生が限界で、それ以上は再生音が途切れることがあるそうです)
以前に試聴したEDISCREATIONのスイッチングハブ「SILENT SWITCH OCOX 2 JPEM」(¥616,000-)の音を思い出して比べてみると、DELA S1は日本製らしい丁寧さと品の良さ、落ち着きを感じます。好みは別れるところですが、機能面とオーディオ的な性能的ではS1は飛び抜けています。
スイッチングハブに100万円オーバーという価格に驚く方は多いかと思います。ただ、オーディオ機器はなんでもそうですが、これを使わないと体験できない再生音があります。代わりはありません。ネットワークオーディオで少しでもいい音を聞きたいという方はまず一度お試しいただき、自分の好みに合うかどうかをお確かめください。
しばらくの間はメーカーデモ機の順番待ちとなりますが、試聴依頼は随時受け付けております。
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